これが 「日本の民主主義」!
著 : 池上彰
TOPPOINT 2023 年 3 月号 より
1945 年に太平洋戦争が終結し、日本は連合国の占領下に
連合国軍総司令部 (GHQ) の最高司令官マッカーサーが、日本に憲法の改正を指示
戦争ができない国に
1950 年、アメリカがその方針を変更
朝鮮戦争の勃発により、日本に駐留する米軍が朝鮮半島に送り込まれる → 日本が軍事的な空白地帯にならないように
マッカーサーが首相の吉田茂に警察予備隊の設立を命令
1952 年には保安庁ができて、警察予備隊は保安隊に改組
1954 年に保安庁が防衛庁になり、自衛隊が誕生
1951 年、サンフランシスコ講和条約 → 日本は再び独立
米軍が日本に駐留できるように、日米安全保障条約が締結
日本に不利な内容だったため、岸信介が総理大臣に就任後、改正の交渉を進めた
1960 年、新しい日米安全保障条約が調印された
自衛隊が米軍の後方支援をするように
2001 年 9 月 11 日の 9・11 同時多発テロ
テロ対策特別措置法を成立
2003 年のイラク攻撃
イラク特別措置法
第二次安倍政権では、安倍総理が集団的自衛権の行使は許されると解釈
それまでの日本政府は 「権利は有していても行使できない」 としてきた
2015 年から新たな安全保障法制の審議が開始
この方針には指南書があった : 「アーミテージ・ナイ・レポート」
2015 年 9 月には、自由民主党 (自民党) などの賛成多数で可決、成立
世論調査では反対が 57 % だったが、強行採決
民主主義的な態度とは言いづらい
シングル・イシューでの選挙 (争点をひとつにしぼる) になりがちだが、他の件も白紙委任状態になっている
期間限定の独裁制ともいえる
1974 年の 「田中角栄研究 ― その金脈と人脈」 (「文藝春秋」 の特集) で、田中角栄が多額の資金・資産を保有している理由が示された
例えば、田中角栄が大雨のたびに水につかるような土地を買収した後、建設省が堤防を作る → 土地の価値が上がる
立花隆らが暴いた
日本の新聞各社は無視したが、外国人記者たちが田中角栄に質問 → 最終的に日本のメディアも報じ、田中角栄は退陣へ
安部政権はメディアに目を光らせていた
日本の報道の自由度ランキングは安部政権の間に低下
先進民主主義国では、何かあれば当たり前のようにデモや集会が行われる
日本でもデモが行われていた時代があったが、1970 年代の安保反対の学生が過激化したことで、デモは危険だという認識が広まった
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